Last Linz and Frankenstein Part 7

2008年3月29日

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泣いても笑っても今日が最後。
粗大ゴミを出し、最後の掃除にとりかかった。
Sは着実に部屋を磨き上げ、オレは壁の汚れた箇所を白の絵の具で補修していった。
最後は掃除機をかけ、最終チェックをして終了。
こうやって書くと簡単そうだけど、1日仕事だった。

それから彫金の作業机が欲しいといっていたSの昔の同僚Oが、引き取りに来れば終わりだった。

待っている間、オレにとっての最後のライン川を眺めに短い散歩をした。
ベルリンに越した頃から、ライン川を見ることは少なくなったけど、結局ドイツ滞在の最初から最後まで見るハメになってた。
でもこれが本当に最後なんだと実感がわいてくる。
特にこの川を好きだとか嫌いだとか考えたことなんてない。
どちらかといえば嫌いな方だと思う。
そんなオレの考えることなんてるどうでもいいみたいに、この川は今までただそこに横たわってた。これからもそうなんだろう。
それと同じくらいに、最後が横たわってた。
活字で見ると何か悲壮なんだろうけど、感傷とかじゃなくて、ただそれが最後なんだって。
これからこの川をこうやって眺めることがあるんだろうか。
Sは「最後の〜」っていうフレーズが好きで(笑)、最近は頻繁に使ってるけど、この時それがライン川にだけははまってる気がした。
バイバイ、ライン川。

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結局Oはギリギリになって来たけど、オレの飛行機の時間がせまってたんで、次回に延期になった。
オレはそこからSに送られて、ベルリンへ。

Last Linz and Frankenstein Part 6

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Sのうちからの眺め

引っ越しの次の日は、運び込んだ荷物を整理する日になった。
この晩、これまたオサレな韓国料理店でごちそうになった。ここは美味かったー。。。

それからその次の日は日本行きの荷物の引き取りの日だったので、またもやLinzまで。
宅配員が来るまでに仮止めだったテープをしっかりと貼付け、すべてが完了したらさらに部屋の片付けをした。
予定の時間を大幅に遅れながらも、宅配員はやってきた。
ドイツ人には珍しく愛想のいいオッサンで、ゆっくりとでも確実に10箱の段ボールを運んでいった。
それが終わると部屋はまさに空っぽになってたけど、地下室には粗大ゴミに出すものや、その他細かいものはまだ残っていた。

片付けはそこそこに、日が暮れる前にデュッセルドルフに帰った。

Last Linz and Frankenstein Part 5

旅行も終わって、次の日。ここから怒濤の引っ越しに入った。
片付けるものは片っ端から片付け、詰めるものはどんどん詰めていく。
日本行きの荷物はほとんど完了してたけど、SがSの姉のところに置いていくモノ達を整理して、捨てるものはどんどん捨てないといけない。
それはそうと、次の日には手伝いにきてくれるSの姉夫婦を迎えにデュッセルドルフにも行かないといけない。んー、忙しい。
引っ越し当日にはSの姉夫婦、Sの姉の同僚で妊婦のTちゃんと中国人の夫、Sの同僚のトルコ人Iが何人かのヘルプを呼んでくれるらしかった。

それから引っ越しの前々日にあたる日にはデュッセルドルフへ姉夫婦を迎えに行き、帰ってくる。
次の朝から家具の解体と更なる片付け。
何とか全部が運び出せる状態にまで持っていった。
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そしてついに当日。
朝早くにEuropCar(HPはこちら)で予約しておいた大型普通車をレンタルして、詰め込みを姉夫婦とゆっくり始める。
実質男手2人分だから、それほどはかどらず10時を過ぎた。
そこでTちゃん夫妻登場。妊婦のTちゃんは手伝いなど到底無理なんで、旦那のSが入ってちょっと作業が楽になる。
姉夫婦以外は基本的にはSのうちの家具を欲しいということで集まった人達だったが、結局全部手伝ってくれた。
それで11時頃にやってきました、トルコ人軍団!
もとは洗濯機やソファーがトルコ人の同僚Iの目的だったんだけど、彼女が連れてきた男共はあっという間にSのうちを空っぽにしてしまった。
風のようにやってきて、目当ての洗濯機とソファーをワゴンに無理矢理積んで帰っていった。
結局昼頃には積み込み終了。

いざ、デュッセルドルフへ!
途中昼食にまたもやマックに寄りながら、何とかデュッセル到着。
デュッセルドルフではSの姉夫婦の知り合いK君が待っていてくれた。
この五人で今度は積み降ろし開始。
意外とこれも早く終わった。

それから何か手持ちぶたさになったのと天気がいいのを見て、オレは一人で撮影散歩へ。
なーんとなく、ね。
デュッセルドルフのZoo駅周辺は電車の路線周辺が空き地みたいに開けてるんで、そこを歩いてみたくなった。
ここがほんとに何にもなくって(笑)、被写体を探して歩くうちに結構遠くまで来てしまった。
そろそろ引き上げかなと思って、帰ってみると1時間が経過してた。
Tちゃん夫婦はSの義兄Mに送られ帰っていき、K君もミーティングがあるとかだったんで、後で合流することにして、姉夫婦宅を出た。

Tちゃんを送っていったMが帰ってくるのを待って、レンタカーを返し、この夜は後から来るK君への感謝も含め、何やらオサレなイタリアンに連れていかれた。
前菜をが終わってメインを頼もうとしていた頃にK君再び登場。
みんなで飯を食いながらわいわい言っているうちに、K君がマゾであることに話が集中する。
いやー、ありゃマゾだわ(笑)。

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Last Linz and Frankenstein Part 4

短かった小旅行もあとは帰路を残すのみ。
朝起きて、朝食と呼ぶにはあまりにショボいEtapの食卓につき、「このまままっすぐ帰ってもなあ」と考える。
じゃあどっか寄って帰ろうってことになって、マインツとコブレンツに行ってみることにしてみた。
どっちにもそれほど惹かれないながらも、帰りの暇つぶしにはいいんではと思ってたんだけど、この日が昨日とは打って変わって悪天候。
突然雨が降ったかと思うと、また突然いい天気になる。
まあなんだかんだ言いながら、まずはマインツ到着。
ここにはドイツ国内で3本の指に入るといわれる大聖堂がある。
相当すごいんだろうなーとちょっと期待。

途中で変なペットショップに入りながら、何とか大聖堂にたどり着いた。
「でも正面入り口ってどこ?」って探してもない。
この大聖堂は周辺の建物が一緒になってて、正面は遠くからしか見えなくって、実際に入場するのは教会のサイドから。えーーーー、どうなんそれ。
とか言いながら結局せっかく来たんで内部見学。
まあでも、まあまあでした。

出てきてみて、他にマインツの名所も知らないオレらは途方に暮れる。
それで、
「。。。コーヒーでも飲むか」
ってことになる(笑)。_0010327.jpg
雨が降ってきてたんで、教会のすぐそばのカフェへ。
ぼーっとして、なんとなーく支払いを済ませ、またどことなく市街地を歩いてみる。
そうしてるうちに駐車場の時間が切れることに気付き慌てて車に戻った。
では、ということでコブレンツへ。

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マインツ・コブレンツ間は意外と遠かった。
イメージだと「すぐそこ」だと思ってたら、なかなか着かなかった。
コブレンツはSがAusbildung(ドイツの弟子入り制度)を始めた頃にBerufschule(直訳で「職業学校」、Ausbildungと並行して通う学校)があったところ。
その後この学校の彫金科は、さらによい人材と環境を求めてIder-Obersteinに移された。
なのでSも全く知らない街ではない。
ここの見所はやっぱり、Deutsches Eck(ドイチェス・エック、「ドイツの一角」を意味し、ライン川とモーゼル川の合流地点(写真上)。
実は今まで来たことがなかったんで、見れてよかったと思う。
まあ別に「壮大な流れに思いを馳せて(爆)」なんてしないっすけど。
ここでまた天気が突然悪くなって、建ってる巨像の台座に退避。
台座の中では観光者の子供たちがいっぱいある柱を面白がって、かくれんぼを繰り広げてた。

寒いし雨も降ってるしなので、雨が弱くなったところでコブレンツはここで切り上げて帰ることにした。

この帰りに異様に腹が減って、Remagen(レーマーゲン)でマックに寄る。
ごちそうさまでした。

Last Linz and Frankenstein Part 3

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何で今更ダルムシュタットみたいな僻地に行くんだろう。そこに何があるんですか?
お教えしましょう。ダルムシュタットの南5kmほど行ったところには、他でもないフランケンシュタイン城(公式HPはこちら)があるのだ。バーン!
作品で怪物シリーズを作ろうとしてたんで、ここは絶対に帰国前に行っておきたかった。

前日Bad Kreuznachで寄り道をしながらもダルムシュタット到着。
2泊ほどしようととっておいたホテルにチェックイン。
その日は夕暮れ時を街中を散歩し、休むことにした。
そんで翌日、ついに念願のフランケンシュタイン城へ。
ルーティングでは10分で到着のはずが、迷いに迷って45分。
フランケンシュタイン城はその名の通りフランケンシュタイン所縁の地(フランケンシュタインについてはこちらをどうぞ)。
そんで当たり前だけどここにフランケンシュタインがいるわけもねぇよな、って思って油断してたら、なんとやっぱりいた。。。!?

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。。。ニャンコ。イヤン。
日なたぼっこだろうか、きっとフランケンシュタインの昼間の姿なんだろう。
やっぱりあんまり可愛くない。

それはともかく大体全体を見学してから、ペンタックス67での撮影に移る。
肌寒い中でも撮影が長引きだしたところで、寒がりSはリタイアし車で待機。
なぜかここの駐車場では日本人らしきオッサンたちがいて、付近の山道を使って車のドライビングテストをしていた。

だいたい気になるところはすべて撮影し、ダルムシュタット市内へ戻る(左の写真はダルムシュタット市内の広場にて)。
なかなか味のある城だった。

とりあえず目的地での撮影には満足だったが、もっと撮りたい欲求にかられる。
しかも止まっていた安ホテル、Etap(HPはこちら)には専用駐車場がなく、駐車料金を払わないといけなかった。
じゃあもう一回ドライブに行こうかってことになる。

それでまた南に車を走らせてみた。
しばらく行った後、Sの「あっこにもお城あるよ」という言葉のままに立ち寄ったのがAlsbach(アルスバッハ)というところ。
Sの住むLinzの近くにはよく似たAsbach(アスバッハ)というところがあるので地名を覚えてしまった(笑)。
ここにあったのがAlsbacher Schloss(アルスバッハ城)だった。_0010286.jpg
ここがまたいい感じのところで、フランケンシュタイン城に比べて観光客も少なく、管理の人すら見当たらない。
偶然にまかせて行ったんで、この城の背景など全く分からないけど、周辺の風景がオレの求める感じにすごくフィットしていた。
撮影が終わる頃には、夜にも来てみたいと思いはじめていた。
ここで今までの写真生活上、もっともイタい失敗することになるとは知る由もなく。。。

ペンタックス67は電池駆動なのを知っている方は多いだろう。
ずっとバッテリーチェックボタンで確かめてたんだけど、残量が怪しかった。
不安で立ち寄る所々で電池を探してはいたものの、なぜか見つからず、でもとりあえずシャッターは下りていたんで(ペンタ67は電池がなくなるとシャッターが下りなくなる)、大丈夫だと思い夜の撮影に臨んだ。
ご想像の通り、バッテリー切れをかましてしまったのである。
「夜=長時間露光」だけど、その長時間シャッターを開いておくだけの電池残量がなかった。
この夜がまた天気も最高で、月まで見えていただけに異様に悔やまれる。
まあでもどうしようもないことはどうしようもないっということで、すぐに引き上げ。
Sは夜の暗い森の中、完全にビビってた(笑)。