Kati & Ektar

2009年3月17日

去年の暮れからあるカメラ店のDPEコーナーで受付の仕事をしてます。
以前に働いてたベルリンのピクセルグレイン(HPはこちら)では、主にラボ職員として働いてたんで、受付は全くやってなかったんで大変。
しかも今回がオレにとって初めての接客業。その中でも特にこのラボの受付業務は難しいことに気付いた。
いろんな客がいろんな注文をして、いろんな納期や、消費者教育の行き届いてない団塊の世代の相手もしないと行けない。
最近は昔はなかった消費者教育があって、「自分ができないことをお金を払ってやってもらう」という姿勢がある人にはある。
ただちょっと古い世代になると「金を払ってるんから、お前は奴隷だ」っていう姿勢。困ったもんです。
「なんでできねえんだ」とか言われても、できないものはできない(笑)。どっか他逝けって感じです。
やっぱラボでも受付は特殊です。ピクセルグレインでも作業してる人間と受付の人達とでなんか距離というか、人種の違いのようなものを感じてたけど、こういうことかと実感しております。
まあそうは言いながらそこそこ楽しくやっております。

ところで以前にオレがモデルになったKatiの写真が彼女のサイトにアップされました(過去の記事はこちら/シリーズのページはこちら)。今回のテーマは「einfach sein(シンプルであること)」だそうで、彼女が働くラボ職員をモデルにしたシリーズです。
ここのサイトのリンクにも加えようと考えております。もう気付いてる方は気付いていると思いますが、以前のブログでのアーティストリンクは全部上メニューのリンクに移りましたのでご覧下さい。

あ、あとそういえばコダックからついに日本でも発売になりましたね、新(復刻)フィルム「Ektar100」!(HPはこちら
今更ながらの135mm用ネガだけど、一応「世界最微粒状性」をうたってるんで、期待してしまいますな。
アメリカでは先行発売していて前評判もよかったせいで、在日の外国人の方がいっぱい買いに来てます。
ぜひ試写してみたいでず。っていうか35はいいから120出さんかね、コダックさん。

遊びは終わりだ

ツケはいつかは支払われなければならない。
清算の日はいつ何時来るかは分からない。でもその日は確実に来る。
要はそれを「ツケだ」という認識があるかだ。
例えば人間が生きるということはいろんな「迷惑」や「わがまま」を伴う。
そういったことをちゃんと「ツケだ」と自覚できているか、ということ。
もちろんこれは単なる借金の話をしてるわけじゃないし、「自分はちゃんと経済的に自立してるから、誰にツケがあるわけでもないし、迷惑もかけていないからいいだろう。」などという低レベルな話でもない。

例えばオレはドイツにいたけど、まずそのことがツケであるということに本能的には分かってた。
でも自分はドイツ滞在が心地よく、このままここにいることができればと考えていた。
この場合代償は「日本」で、得るものは「ドイツ」だった。
ちなみに「何でそこで日本が代償になるんだ?」などという方は、この文章は読んでも無駄である。
あとオレは写真を中心に活動してたけど、自分のことを「人間である前に写真家だ。」みたいに「人間である前に○○だ。」なんて思ってる方にも、この文章は時間の無駄でしかない。
なぜならこれを書いているオレは「写真家である前に人間でありたい」と思うから。

例えば外国にいながら自分の生活はとりあえずうまくいくこともあるかもしれない。
でもそれはあくまで「自分の」生活だけだ。
じゃあ結婚して子供ができて、子供が大きくなって、自分の親もいつか死んでしまうことを想定しよう。
そんな時外国にいると親の世話もできず、死に目にも会えず、子供は子供で自分がどこの国の人間なのか悩み出す。
でもそれは全部「仕方のないこと」?自分が幸せなら、人も幸せ?
オレも昔はそう思ってた。「自分がまず幸せじゃない人が、なんで人を幸せにできるだろうか」と。
確かにこれは原理的には合ってる。正しい。
でも実際には自分がどんなに幸せでなくても、人の幸せのことを考えないといけない時がある。
己の幸福を追求することは決して間違ってない。ただそれ以外の部分での「ツケ」は最小限にするべきだと思う。
なぜかと言えば、自分のツケを払うのがオレ自身だったらいいけど、それがもし自分の親だったり、子供だったりしたらこれほどやりきれないことはないからだ。
人間臭く、青臭く、面倒臭く、泥臭いことで、若い(と思ってる)うちは耳を塞ぎたくなるだろうけど、こういったことを考えないといけない日は誰にでも必ずやってくる。

オレが帰国した理由も、そういう背景が強い。
もしこのことに気付いていながら外国にいて将来は帰国したいなんて思ってる方は、できるだけすぐに帰国した方が賢明だろう。
気付いているというだけでそれは価値がある。でもオッサンやオバハンになって帰国して何ができるんだろう。
心身ともに老い、帰国そのものが大変な負荷になり、長年の留守で頼れる友人も少なく、久しぶりの日本の生活に慣れるのにも疲労し、いい年してるから仕事の採用もない。
分かってるんなら、私情はさておきできるだけ早くケツをまくるべきだろう。
「日本に帰ってもろくなことがない」なんて言い訳の常套句だけど、オレには「ろくなこと」より大事なことがあるような気がして仕方がない。
実際オレは帰国してろくなことはないし、ろくな生活もしてない。でも帰国したことは全くと言ってもいいほど後悔してない。
ろくなことがあるかどうかなんてホントにどうでもいい。

もしあのままろくなことを期待しながらひたすら自分の幸福を追求するのなら、オレは日本を完全に捨てなければいけなかった。
まあ捨てられるわけもないけど(笑)。
この「捨てられるわけもない」っていうところがまたタチが悪い。
自分が「移民」だって言われると抵抗があるけど、「在住」とか「とりあえず住んでいる」と言われるのは構わないという人が多いのはそこなんだろう。
「ドイツ在住」とか、「ドイツに留学」なんてかっこいいけど、「移民」なんて言ったらなんだか苦しそうだ。
日本人はそういう変なところでキレイでかっこいいものを好み、泥臭くてかっこわるいものを嫌う。
でも実際、海外経験は「留学」って言えるくらいの短期間が一番いいのかもしれないと、7年も住んでみて思った(爆)。

お金の話になるけど、最近は政治の世界でも国債とか地方債、財政改革の答弁なんかでよく「この借金はやむを得ないと言われますが、これを誰が払うんですか?私たちの子供ですか?」なんて聞く。
勝手に借金してもいいけど、その尻拭いをちゃんと自分でやれよってこと。
「そんなの当たり前じゃん」なんて言ってる人に限って分かってないことが多いんで、気をつけましょう。
オレも気をつけていきたいと思います。

オオヤマヅミ

2009年1月17日
_0011642.jpg
今更ですが、またもや年末年始ネタ、初詣ー。

今年は大山祇神社(「おおやまづみじんじゃ」と読みます。詳細はこちら)なるところまで行ってきました。
この神社は尾道からしまなみ海道で四国方面へ走ること小一時間、大三島という瀬戸内海に浮かぶ島にあります。
島の順番で言うと、北から向島→因島→瀬戸田→大三島となっていて、尾道からは意外と近かったっす。
ちなみに大三島は愛媛県に入ります。


_0011641.jpg
この神社、実はハンパなく古いものらしく、あの出雲大社より古いそう。もう神話の時代まで遡るわけです。Oh, man!
それこそイザナギノミコトとか古事記の世界です。オオヤマヅミっていう神様もいたらしい。
各地に同名の神社が点在するそうですが、ここが総本山です。
さすがにそれだけ由緒正しい場所なんで、参拝客もかなり多いっす。まあ田舎にしては、だけど(笑)。
年末年始に帰省したとみられる若人も結構いたし。

_0011619.jpg境内にはやたらと古い大木が祭られていて、「日本最古」の文字もチラチラ。
木ってあんまり古いと、もう中とかスカスカになってくるみたいで、超でかいのに中は空洞だったりする。じゃあもう死んでるのかっていうとまだ死んではいない。

それにしても日本には大木がない。何で?すぐ切っちゃうのかね。どうも日本人はそういうものを大事にできないみたいっす。
経済的にしか自然と共生できない。木とか自然とか軽んじるくせに、エコカーは作ったりする。

まあとにかく金、金、金、です。
なので賽銭はもちろん最少額の五円でございます(笑)。
当然おみくじなんて高いし、そのせいで一喜一憂させられるのも阿呆らしいので買ったりしません。
それにしても神社のおみくじって大人気っすね。
オレにはおみくじなんかより屋台のたいやきとかの方がくるが。いやたいやきと言わず、フランクフルトとか焼きそばとか射的とか何でも。
あ、でもりんご飴とチョコバナナはやめてくれ。吐きそうになる。
屋台もおみくじ並に高いけど。

_0011624.jpg
いつものごとく行儀良く並んでお参りを待ってると、どんどんサイドから先に進む輩発見。
「コラてめえ、何やってんだ!ちゃんと並べ!」なんていうオッサンもいないんで、「?」。
前まで行ってみて分かったけど、賽銭箱が横一列に3つ並んでいて、長蛇の列をなしているのはこの真ん中の賽銭箱の前だけ。
横のでよければそっちのほうが誰も並んでないんで早かった。でもやっぱ真ん中が王道じゃろう。
_0011622.jpg
お参りをすませ、手持ち無沙汰な我が一家はそれからなぜか直帰。
ともかく大山祇神社は興味深いところでありました。
_0011632.jpg

話は変わるが、去年初めてM1をリアルタイムで見たけど、えかったっす。
ドイツ時代はリアルタイムじゃなく、DVDとかでそれだけを見てて「そんなに面白いかなあ?」って思ってた。
今回初めて爆笑でした。なぜか?
M1にはやっぱりその時旬な芸人が出てくる。旬ということはその年人気急上昇な人達である。
イコールM1に出るまでの一年の活動を知ってるのである。
なので一層面白く感じるんだって分かった。
レギュラーなネタをひねってきたりするんで、それだけ見た人には何が面白いのか分からないことがある。

それとは逆に「すべらない話」は各芸人がその一年で他番組でも話してるネタだったりしてつまらんかった。

以上、ドイツにいた頃と日本にいる時のお笑い番組の解釈比較でした(何じゃそれ)。
_0011614.jpg

 

広島市民球場

2009年1月 4日

久々に実家にいた年末だったんだけど、一緒に帰省したK氏が「市民球場へ行こう」と言い出し、他にすることもなかった我が一家ははるばる広島市内へ。_0011578.jpg


「広島人はみんな広島カープファン」なんて思ってる人もいるかもしれないけど、オレも昔からのカープファンというわけでもない。現に今回を除くと過去にここに来た経験は一回しかない。
その一回は何が面白いのか分からないまま連れて行かれたこの球場で、オレは結局マンガを読んでた。
_0011586.jpg
小さい頃は野球をやるのはともかく、観るのが嫌いでしょうがなかった。
毎日夜になると父親が晩酌の友に野球中継を見ていて、オレやK氏は好きなアニメが見れなかったからかもしれない。
それから大して野球観戦に興味を抱かないまま、大学生として引っ越した名古屋でオレは広島人としての自覚に目覚めさせられる。その時初めて「やっぱカープっしょ」的な考えがでてきた。
離れて初めてそのありがたみが分かる実家のよう。離れると分かることは多い。
それと同時になぜか中日ドラゴンズのファンにもなっちゃったけど。

まあしかし大してファン的な活動をするわけでもなかったんで、えせファンな感は拭えない。
そんなえせファンなオレもこの市民球場がなくなってしまうと聞いて、見に行きたいと思ったわけ。

とりあえず行ってみたのはいいが、何とこの日は見学できない日だった。ショック!
しょうがないのうと思いながら、鉄人衣笠のレリーフを可愛がるオレ。
_0011591.jpg
「なんだ中は見れないのかー。」なんて言ってたら、うろうろしてたウチの親父が向こうの方から合図をしてる。
何かと思って行ってみると、なんと偶然レフト側のバックゲートが開いとるでわないか!

「おお!」と入ってみた。

あとで聞いたところ、この日は新年の出初め式の練習で使用されてて、このゲートは機材の搬入で開放されてたそう。
_0011595.jpg
入ってみてまず思うのが、やっぱり球場としては狭いということ。でも人工じゃない芝と土の感じがすごいいいっす。

芝もけっこうふわふわしてて歩いてると気持ちよい。

_0011599.jpg
でもいつ退去命令が出るか分からないちょっとスリリングな状況下なんで、手早く見学する。

ちなみにK氏はかなりグラウンド内を縦横無尽に堪能してた。
_0011596.jpg
そんな均衡を破ったのはもちろんウチの天然親父(笑)。無謀にも内野の土を間近に見ようと接近。
内野に辿り着いて土を触ろうとしたところででタイムアウト。「すいません、今日は一般公開はしてないんですよ〜」と練習中の消防士に声をかけられる。
それから「はいすいません、入らないでくださいねー。」と全員球場から追い出される。
_0011597.jpg
もうすぐ新球場も完成して、じきにこの市民球場も取り壊されるそうです。残念だけど、新しいことができそうな気もする。

 

2009年明けましておめでとうございます。

2009年1月 3日

nennga.jpg
旧年中はお世話になりました。年末年始で実家の広島に帰省し、見事今年2度目の風邪を引いております。
ともあれ今年もどうぞよろしくお願い致します。
写真は丑年ということで、牛乳ビンです。